にゃふん

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 私には大阪で薬剤師をやっている姪が一人いるのですが、これが大のネコ好きで、事あるごとに私のところにいろんなネコグッズを送ってきます。昨年は貴志川鉄道のタマ駅長のカレンダー。今年は「猫川柳」というのを送ってきました。その中で思わず感心してしまったのが写真にあるように「そこ違う! トイレじゃないです 本当に...」という川柳でした。写真には台所のシンクでいまにもオシッコをしそうなネコがこちらを向いているのです。実はわが家で今もっとも苦慮しているのがネコのウンコ問題なのです。猫川柳と同じことがわが家で問題となっているのです。朝、目が覚めて猫の朝御飯をやるために台所に行くと、なんとシンクにウンコがしてあるのです。ギャフン!(正確には「ニャフン!」というところですが)と悲鳴を上げ、しかたなくウンコの後片付けをします。最近、板やんが対策を考えました。台所のシンクの床にまな板をしいておくのです。えーっ?と思われるかもしれませんがこれが以外と効を奏して、さすがにまな板の上にはウンコはされておりません。もし、まな板の上にされたらどうするのか? 板やんいわく「まあ、古いまな板だから大丈夫よ」とのことでした。板やンもなかなかの豪傑です。しかし、時々、まな板が外れていたりしてそのスキにウンコをされていたりするとやはり「ギャフン!」といっております。また、洗濯物の乾きにくいこの梅雨時に、ベッドにウンコなどをされると絶望的な気持ちになってしまい、板やんなどは「どうしてくれようか。八つ裂きにしてくれる!」などと叫んでおります。
全然別の話ですが、この前の朝の総回診の時、私のズボンの中がもぞもぞするのです。「何かズボンの中にいるみたい」というと、みんな、ぎょっ!として私を見つめます。おもむろにズボンのすそから中を探ってみると出てきたのは何とカナブンでした。窓から外に開放してやりましたが、「うちはこんな家に住んでんの!」と開き直ってしまいました。

ネコのしっぽ火事

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外来の診察をしていますと、患者さんが私の左腕をみて「これ、どうしたんですか?」と言われることが時々あります。といいますのは、私の左腕には無数の発疹やひっかき傷がありまして、なんだか怪しい病気にかかっているように見えるのです。「実は・・・ネコにひっかかれたのです」とお答えしますと皆さん、エーッ!と驚かれます。「どう猛なネコですねえ」と言われたこともありますが決してどう猛ではなく、私が手でネコを遊ばせているために、ひっかかれたり、ネコキックをされたり、かまれたりと、その傷が一日数十カ所におよぶためなのです。このキズがまた治りにくいので無数のキズが残ってしまうのです。「名誉の負傷ですね」と言われたこともありましたが「不名誉な負傷です」とお答えしました。「なぜ、左の腕だけにひどいのですか?」と聞かれますが、食事の最中に右手で食事をしながら、左手でネコをじゃらしているためなのです。
 腕のキズと同じくらいのキズが実は両方のふとももにもあります。これはトイレに座っていると、膝の上に乗ってくるネコや、後足で立って前足を太ももに乗っけてひっかくネコが何匹かいるためです。また、冬の間、床が冷たいので電気カーペットを買ったのですが、買った日からネコが二十匹ほどカーペットの上に集まって寝るようになりました。
 われわれも食事の時はこのカーペットの上にテーブルを置いて食事をしていますが、私はあぐらをかいて食べるのですが、この時、膝の上にいつも五〜六匹のネコが乗っています。テーブルの上にも四〜五匹のネコがいてちょうど私の皿の前に陣取ってしまうのでおかずが食べれません。ちょうど目線の高さにネコの胴体があって向こう側があまりみえないので、座ったまま背伸びをしておかずを取るのですがこれがひと苦労なのです。
 また、テーブルの上を行ったりきたりするためにしっぽが刺身しょうゆ皿の中に入ってしっぽを筆にしてテーブルに毛筆を書いたりします。これもあわててティッシュで拭かなければなりません。
 また、テーブルの上で鍋をしたりするとコンロの火がしっぽにうつって焼けしっぽになったりしています。肉まで焦げないのでネコ自身は平気は顔をしていますがこっちはあわてて火消しにかかります。こんな事で火事になったらはずかしいやら申し訳ないやらで、昔の江戸の振り袖火事ではありませんが、ネコしっぽ火事と新聞にのってしまいそうです。

ネコの毛づくろい

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ネコの毛づくろいにはいろんな意味がありまして、本来の目的は体臭を消すためです。体中をなめてちょうどお風呂に入って体を洗うような感じです。そういう意味ではネコは清潔好きですね。ネコは自分で獲物を捕まえないといけないので、獲物の風上にいるときに自分のにおいを相手に気づかれてはいけないのです。忍者の心得みたいなものです。
 さて、もう一つの毛づくろいの役割は、緊張感を和らげる効果があるようです。ネコ同士のケンカでにらみあっていてそのままゆっくり両者とも後ずさりして別れるような場面がありますが、その際の緊張の度合いは非常に高まっています。この緊張をいかにして取り除くか? こんな時、毛づくろいをするのです。毛づくろいをしていると何となく今までの事を忘れてしまいその内緊張感がとれているのです。この緊張感を取り除く方法は人間にも応用できます。人間も緊張感が続くと神経症になってしまいますので出来るだけ緊張感はとった方がよいのです。人によって深呼吸をしたり音楽を聴いたりといろいろだと思いますが、これらをまとめて「ネコの毛づくろい」と私は呼んでいます(最近からですが…)。私自身は外来の合間や検査の途中でしばらくぼーっとするのがこれに相当します。
 もう一つの毛づくろいの目的は意外と気づかれていないのですが、「取りつくろい」というか「照れ隠し」といいますか、何かをしようとして失敗したときにこの毛づくろいをするのです。特に人間が見ているときはそうなのです。テーブルに飛び乗ろうとしてずっこけて落ちてしまった時などは、「照れ隠し」と「リラックス」の両方の意味があるかも知れません。
 ネコはいろんな意味でボディランゲージが得意なのです。その一方で表情はあまり豊かではありません。ポーカーフェイスで何を考えているかさっぱりわからない事がよくあります。しかし、怒っているときのネコの顔は、これは誰でもびっくりするほど怖い顔になるのです。いわゆる「般若顔」と言いますか、口が耳元まで裂け目をつり上げてシャーッとふきますと今までのネコの顔とはまったく別人(別ネコ)のようです。
 さて、最近、子ネコが増えまして、私が朝トイレに座っていると数匹のネコが膝や肩に乗って来ます。中には頭まで登るネコがおりまして頭のてっぺんで遊ぶのです。髪の毛をくわえて引っ張ったり頭の皮で爪研ぎをするのです。これは痛いのですが一応ガマンすることにしています(心頭滅却すれば火もまた涼し)。また耳元に来てフーッと息を吹きかけたりするのですが、これは人間でもゾクゾクッとするのですがネコの場合もやはりゾクゾクッとなります(変な趣味になりそうです)。また、膝の上に乗るネコで風邪気味といいますか鼻炎のネコがおりまして、このネコが私の顔に「ネコキス」をしてくれるのです。ネコキスはその名の通り、ネコが鼻と口を人間の鼻や口におしつけすりすりする行為です。外国人の挨拶でお互いのほっぺにキスをするようなものかも知れません。いずれにしても親愛の表現なのですが、ここで鼻水が顔中についてしまうのです。イヌも顔中をなめてくれるのですが、これは喜ぶ人と嫌がる人と半々です。ネコの場合はたいがいはうれしいものですが顔中がネコの鼻水でべちょべちょになってしまいますので朝の洗顔が必須となります(ネコキスは洗顔の代用にはなりません)。

大の字になって寝るネコ

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子ネコラッシュはまだ続きます。外ネコの「ウッチー」がなんと五匹の子ネコを連れて凱旋帰国。これで子ネコが二十匹。うっかりしていたら「ボタン」のお腹も大きくなっていました。さあ大変!
 ぜんぜん話題が違うのですが、手のかかるネコだった「てて」は今や巨大なネコになっております。長毛種なのでいっそう大きく見えますが寝るときに仰向けになって寝るのです。ネコは普通「猫背」と言うくらいですから、背中が丸くなっています。前後・左右ともに凸なので普通は仰向けに寝ると左右どちらかに傾くのです。それがちょうどまっすぐにバランスがとれたまま寝ているのです。いったいこのネコのおしりというか背中はどうなっているのでしょう? 仰向けに寝ている「てて」のおしりの下に手を入れてさわって見ました。まず、骨盤と床との接触面積が広い。このために安定感があるのです。起きている時にさわって見ると骨盤の形は他のネコとはあまり変わりがないのですが脂肪が左右にたっぷりとついているのです。人間でもおしりに脂肪がたっぷりついている人は硬い床に直接寝ていても床ずれになりにくいのです。私の場合はおしりの真ん中の仙骨という骨の出っ張りが直接手で触れることが出来るほどで仰向けに寝るとちょうどこの骨の出っ張りに体重がかかってしまい、仰向けになって寝ると痛くて一分と寝ておれないのです。一般に床ずれは太っている人の方がなりにくいと言われていますので私の場合、寝たきりになるとすぐに床ずれになると思われます。
 さて、仰向けネコの「てて」ですが、両足は左右に開いたままなのですが前足はさすがに左右に開いたままと言うわけにいきません。左右のどちからに両方の前足を平行にして寝ておりちょうどフラダンスを踊っているように見えます。もうひとつおもしろいのは巨大なシッポです。長毛種のふさふさした巨大シッポがちょうど両足の真ん中をまっすぐに下のびているのです。これでは「大の字」ではなく「木の字」となってしまいます。したがって、正確に表現するならば、「大の字になって寝ている」と表現するより「木の字になってフラダンスを踊りながら寝ている」といった方が正しいことになります。しかし、「てて」はオスネコで、本来ならばネコの弱点はお腹で、ケンカをするときでもお腹を見せるのはギブアップのしるしなのです。まがりなりにもボスネコを狙おうというネコはこんな、いつおそわれるか知れないような寝方では寝ません。すでにボスネコ争いから脱落したのか?「てて」の場合はあまり「権力争いに興味が無い」といった方が当たっているようで、もともとがネコばなれしたおっとりネコなのです。
 さらに、世の中にはもっとすごい寝方をするネコがいるのですが、まず両手をまっすぐバンザイの状態で前に突き出します。それだけでもちょっとびっくりなのですが、両足もまっすぐに後ろに伸ばして寝るネコがいるのです。「ちょっと見て見て。またあんな格好で寝てるで」。ちょうど文字で表現すると「H」の字になるのです。よくこんな寝方が出来るものだとつく付く感心するのですがこのネコの股関節はいったいどうなっているのでしょう? ちなみにこのネコは「バンザイネコ」あるいは「空飛ぶ(かっこう)ネコ」と呼ばれています。しかし、大の字やバンザイで寝ているネコを見るのは楽しいし、決して「ちゃんとした格好で寝なさい」などと野暮なことは言いません。

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